【転がる足】ロッカーファンクションを考える

足には2つの大きな仕事があります。

今回は、足を考える上で大事な「ロッカーファンクション」について考えていきます。

足の仕事とは?

歩く・走ることにおいてざっくりと2つの大きな仕事があります。

それが、

 

  • ロッカーファンクション
  • 回内回外運動

 

この大きく強烈な機能を巧みに繰り返すことで、推進力を得たり衝撃緩衝を行っています。

縮んだ足裏と伸びた足裏

ロッカーファンクションを紐解く前に、ロッカーファンクションと密接に関係している足裏についてです。

 

縮んだ足裏とは、土踏まずが縮んでアーチがある状態

伸びた足裏とは、土踏まずが伸びてアーチがない状態

歩行時は、衝撃が吸収される瞬間

つまり、足裏全体が地面に着いた時に足裏が伸びます。

それ以外の時は、足裏が縮んでアーチがある状態が理想的です。

 

このアーチが破綻していると、

ロッカーファンクションの機能不全を引き起こします。

ロッカーファンクションの機能不全は、推進性低下や足部への負担増大により様々な障害を招きます。

ヒールロッカー:形から生まれる動き

踵は丸い形状をしています。

接地するだけで転がり、前へ進む力を得ます。

それは、落としたビー玉が自然と転がっていくような感覚です。

ヒールロッカーとは、このような「受動的な運動」によって推進力を生み出しているのです。

踵が接地した瞬間、前足部がペタっと落下してしまってはヒールロッカーは作用しません。

この前足部の落下を防いでくれるのが前脛骨筋です。

前脛骨筋は同時に脛骨を前方へ傾ける役割も担います。

この作用により膝が屈曲し、接地した瞬間の衝撃が吸収されます。

 

とは言っても、あくまで「受動的な運動」です。

運動指導の際に、『踵からついて!』や『爪先を上げながら!』という声かけは、果たして効果があるのでしょうか?

アンクルロッカー:足底接地が可能にする回転

立脚中期に向けて、距腿関節を中心に回転するアンクルロッカー

いわゆる足底接地している状態が理想的だと考えています。

 

踵と前足部が同じくらい接地することで、距腿関節での回転を可能にします。

これが成立しないと、アンクルロッカーは適切に機能しません。

 

足部内側荷重は第1中足骨を背屈させ、母趾MTP関節は底屈方向へ作用します。

母趾が、底屈方向に作用すると、前足部荷重が増加するため、やはり足底接地が成立しません。

 

足底接地の成立には、足部が回外方向に運動し足底外側に荷重していることが重要です。

 

また、足部が外転変位していると、CKCでは足部に対し下腿は内旋しやすくなります。

下腿が内旋すると、足部内側の荷重増加に伴いアーチは低下します。

 

臨床では、膝関節伸展位での前方ステップで評価を行っています。

ステップ下肢への荷重に伴い踵骨の早期離地や体幹前傾の代償が出ないかを確認しています。

フォアフットロッカー:条件付きハイスペック機構

効率的な歩行の蹴り出しには、足部の剛性安定性が必要です。

その役割を担うのがウィンドラス機構です。

ウィンドラス機構という言葉はよく耳にするとおもいます。

そのほとんどが「母趾を背屈するとアーチが挙上する」というものです。

ですが、距骨下関節が回内していると、

踵が前方に引き出されにくい状態になるため母趾を背屈してもアーチが挙上しません

 

フォアフットロッカー成立の条件は、「距骨下関節が回外」していること。

母趾MTP関節の背屈は距骨下関節が回外している時のみ可能となります。

逆に、距骨下関節が回内の状態では、母趾MTP関節の背屈が制限されるため

フォアフットロッカーは減少・消失します。

最後に

そもそも歩くとは何か?

私は、楽に長く移動するための手段であると考えています。

そのためには、人間の身体に備わっている機能を駆使し、より効率的な運動をしていくことが必要です。

ロッカーファンクションは足の仕事の1つとして、効率的な運動に貢献しています。

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