臨床中、たまたま発見したので少し御紹介です(^ ^)
症例
両果骨折術後、4週が経過して全荷重の練習が可能となった方です。
これまでの経過では、特に疼痛や違和感の訴えがありませんでした。
ところが、全荷重を行って頂くと…
荷重時にアキレス腱部に突っ張り感の訴えが!
特に歩行では、足趾に荷重の乗るMst〜Tstで発生していました。
評価
足関節背屈の関節可動域は
自動で0° 他動で5°
この時は突っ張り感の訴えはありませんでした。
そこで、母趾伸展テストを行ったところ、母趾伸展に対する抵抗が強く、アーチ挙上の遅延を確認いたしました。
また、下腿後面を確認するとアキレス腱が不明瞭かつ、外側への偏移が確認できました。
私の考え
以上の事を整理すると…
母趾伸展テストの結果から、
「長母趾屈筋の緊張・もしくは短縮による母趾伸展時の可動域制限」
によって足部後面に突っ張り感が生じていると考えました。
また、下腿後面のアキレス腱部の視診・触診から、
「長母趾屈筋とアキレス腱間の滑走性の低下」
「Kager’s fat pad 長母趾屈筋腱パートの癒着」
といった事も視野に入れて介入を行いました。
介入
介入としては、まずKager’s fat pad 長母趾屈筋腱パートのモビライゼーションにて滑走性を改善。
この時点で、「長母趾屈筋とアキレス腱間の滑走性の低下」は改善され、アキレス腱部分がはっきりと分かるようになってきました。
次に、腓腹筋のアキレス腱移行部付近で長母趾屈筋の触診を行い硬結部位に対し圧迫にてリリースを図りました。
その後は、圧迫を維持した状態で母趾の伸展運動を行い可動域の改善を図りました。
この時の圧迫部位は、「圧迫した時に一番母趾が伸展できるポイント」を狙いました。
結果
以下の写真をご覧ください。
少し分かりにくいとは思いますが、介入後にはアキレス腱が幾らか見えるように思います。
また、母趾伸展テストにおいてもアーチの挙上を確認できたとともに、母趾の伸展に対する抵抗感も軽減しました。
荷重時のアキレス腱部にあった突っ張り感は消失し、
歩行時のMst〜Tstにおいても突っ張り感はなく、改善を認めました。
最後に
目の前で変化が起きることを体験すると、言葉にしにくい感情が湧きあがってきますね!笑
これがまた、たまりません(^ ^)
しかし、長母趾屈筋に関して、知らないことが多いなと痛感しました(^^;;
新たな課題ですね!
オススメの評価方法や、介入方法などあれば教えて頂けると嬉しいです!