「あれ、ココ押したら可動域上がるぞ?」
臨床大好きな私は、常に何かしらの発見を探しながら日々仕事をしています。
なかなか可動域制限が改善せず、行き詰まっている時に気付いたのが、
「あれ、ココ押したら可動域上がるぞ?」
なぜ、可動域が上がるのか?いろいろ探し回った果てに辿り着いたのが、、、
トリガーポイントでした。
この記事では、トリガーポイントとは何か?その種類と原因およびリスクについてまとめています。
とにかく硬いところ
トリガーポイントは、
索状硬結上に形成された過剰刺激感受性の点(圧痛点)
と定義されています。
筋肉の中には筋張っているところがあり、その中でも特に硬いところを索状硬結部位と言います。
このトリガーポイントは、様々な原因で筋の過剰収縮が持続し戻れなくなっている状態です。
トリガーポイントがある索状硬結は、トリガーポイントにより引っ張られます。
輪ゴムを想像してみてください。
何もなければすんなり伸びますよね?
では、結び目があるとどうでしょうか?
結び目部分は伸びることができません。
結び目以外の部分は、結び目がない時に比べるとたくさん引っ張られていることがわかるとおもいます。
4つの主な症状
①関連痛
トリガーポイントごとにパターンが決まっています。
それぞれの関連痛については、「評価・介入の視点」でまとめますのでお待ち下さい。
②運動機能障害
筋節が密集しているため伸張性が低下します。これは、可動域制限を生じます。
また、筋の収縮メカニズムであるミオシンとアクチンの噛み合わせが減少し、筋収縮不全による筋力低下や協調性の低下も招きます。
③神経と血管の圧迫
トリガーポイントは太くなっています。神経や血管を圧迫すれば、それぞれの症状が生じるとされています。
④自律神経の障害
めまいや吐き気などの交感神経系の反射的応答が生じるとされています。
全てが悪いわけではない
トリガーポイントの種類には大きく分けて2つ存在します。
①潜在性トリガーポイント
可動域制限や筋力低下はあっても痛みが生じないトリガーポイント
②活動性トリガーポイント
潜在性トリガーポイントが活性化した状態。こうなると、安静時にも痛みを生じるようになる。
潜在性トリガーポイントから、活動性トリガーポイントになる要因は、圧迫や外傷などの強い刺激や疲労によるものが考えられます。
潜在性トリガーポイントの状態では痛みは生じません。
トリガーポイントが全て悪いというわけではなさそうです。
原因も様々
トリガーポイント自体を発生させる原因は6つ
①過負荷による筋損傷
最も多いと言われています。姿勢や運動による慢性的な微細損傷の長期化により影響されます。
②キートリガーとサテライトトリガー
キートリガーは他のトリガーポイントを活性化させます。
活性化される側をサテライトトリガーと言い、
キートリガーは身体の中央部、サテライトトリガーはキートリガーの関連痛領域に存在します。
③栄養不足
ビタミン、ミネラル、タンパク質が重要。
トリガーポイントの部分はPhの異常、局所の酸素欠乏が認められています。これらは疼痛閾値を下げるため痛みを生じやすくします。
④精神的要因
交感神経が優位になる=自律神経の乱れ
自律神経の乱れは疼痛閾値を下げ、痛みを生じやすくします。
⑤ウイルス・感染症
⑥内臓や皮膚分節からの侵害刺激
内臓・皮膚・筋から送られる侵害刺激を中枢系は正確に判断できません。
この刺激は、同じ神経領域の筋へ過剰な緊張として伝わってしまいます。
その結果、緊張によってトリガーポイントが形成されます。これを「促通分節」と言います。
こんな人には押しちゃダメ!
- 悪性腫瘍
- 急性炎症
- 動脈瘤
- 重度の動脈硬化
- 抗凝固薬を服用している時
- 重度の骨粗鬆症
- 妊婦
循環を良くしてしまうことで、悪影響を及ぼしたり青あざを作ってしまう原因となるので注意が必要です。
トリガーポイントをどう活かすか?
トリガーポイントを探す目安として、ツボの位置を参考にすることがあります。
ツボは、「どこどこから○横指」といった感じで探します。
でも、これでは、筋によって○横指なのかを覚えないといけませんよね?
症状の説明でもしましたが、トリガーポイントは運動機能障害の1つとして、関節可動域制限や筋力低下を招きます。
逆に言えば、可動域制限や筋力低下が改善される場所こそがトリガーポイントであると、捉えることもできると思います。
私は、可動域訓練や筋力強化をする際に、筋の硬いところを押して、改善される場所を探し介入しています。
そして、このやり方、、、
足に介入するときにめちゃめちゃ使います!
徒手的介入にもインソール作成にも、、、!
いずれ記事にまとめますので楽しみにお待ち下さい!