物の形には意味がある
歩行やパフォーマンスの改善を目的に、理学療法士はインソールを作成することがあります。中でも、入谷式足底板と言われるものは、理学療法士特有のものではないかと思われます。
そんな入谷式足底板
- 削るのが難しい
- 評価が細かい
そんなイメージがありませんか?
これは、インソールの“形”を考えられてないことが要因だと考えています。
パッドがなぜこの形なのか?
を考えると、
どこをどう削ればいいのか
そして、
その部位の意味
というのも少し見えてくるように思います。
そこで、この入谷式足底板で使うパッドの形について、3つのアーチおよびアーチと歩行の関連性という観点から私なりの見解をまとめます。
足裏の3つのアーチ
まず、アーチについて考えます。
足には3つのアーチがあります。
内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチの3つです。
そして、内側アーチパッド、外側アーチパッド、横アーチパッドがそれぞれのアーチに対応するサポートアイテムです。
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インソールにおいては、どんなインソールでも基本的にはこの3つのアーチを支えるパッドで構成されています。
この基本的な3つのアーチパッドによる構成は入谷式足底板においても同じです。
つまり、動きを見て、高さを細かく調整して作る入谷式足底板と言え、基本的にはどんな市販のインソールとも似通ったアーチパッドの形になるはずです。
アーチと歩行の関連性
2つ目に、アーチと歩行の関連性を考えます。
パッドやテーピングによる細かい評価も、それぞれのアーチの機能や全身との関連性を考えればシンプルに考えることができます。
最も重要な距骨下関節の評価を例にみていきます。
講習会でよく出くわすこんな場面を想像してみてください。
テーピングを巻いて、歩きを見て
「あー、いいですね〜」
ぶっちゃけこれで終わるとよくわからないですよね?
距骨下関節は内側縦アーチの立ち上がりに影響します。
歩行においては、
踵接地〜荷重応答期で回内運動
立脚中期に向かって回外運動
していきます。
立脚後期には回外が強まり、蹴り出しをサポートしてくれます。
テーピングによる誘導はあくまで強調させることだと私は考えています。
つまり、回外を強調した場合は、踵接地〜荷重応答期を除いた全ての周期で回外運動を強く出現させます。
回内運動を限りなく少なくするため、早期に蹴り出しへ向かうことができます。
逆に、回内を強調させることで、踵接地〜荷重応答期での支持する時間を増やすことができます。
このように、距骨下関節の肢位は、歩行において前方への推進力に影響を及ぼしていることがわかります。
つまり、内側アーチパッドは、前方への推進力を補助する役割を担っていると言えます。
そう考えると、入谷式足底板のこの部分(内側アーチ部)は、内側アーチパッドの形をしているのが自然だと思いませんか?
そして、回外と回内の違いは、あくまで内側アーチパッドの長さの違いと捉えることもできます。
また、内側アーチパッドをよく観察すると、きちんとアーチ状になっているのがわかります。
そのため、研磨する時もこのように頂点を決めて放射状に削りアーチを作るように私はしています。
その方が、よりそれっぽくなるし足を置いた時に心地よいです。
まとめ
物の形には意味があります。
入谷式足底板の形にも意味があり、基本的には一般的なインソールと同じ構造をしています。
特異的なのは、動きに合わせてそのアーチの高さを変えているという点です。
この基本的なことを念頭において評価・作成することが大事だと考えています。
参考資料
1)入谷 誠.入谷式足底板 基礎編.運動と医学の出版社.2011
入谷式足底板(基礎編) (運動と医学の出版社の臨床家シリーズ) [ 入谷誠 ] 価格:5,500円 |
ランニング日記
フルマラソン日記改めランニング日記
12月のフルマラソン後、目標を失うことでリバウンドしそうだったので新たな目標を立てました。
人は具体的な目標がないと何かを継続することができないもんです。
今は、10km37分台を目指してもう特訓中です。
理学療法士になってから論文を読むということを身につけました。
ランニングに関する論文をたくさん読み、いかに効率よく速く強くなれるか
本番は3月後半
練習では39分を切るところまで来ています。
暖かくなってきたし、もう時間もありません。
ラストの追い込みに入ります。